「地元の病院、なんか最近混んでない?」——その直感、データが裏付けていました。
マネーストック研究所では、厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師統計」(e-Stat) のデータをもとに、47都道府県×20年間の医師数・人口の推移を一覧できるインタラクティブツールを公開しました。
🔬 ツールで分かること
- 47都道府県の医師数の20年推移(内科・外科・麻酔科など診療科別)
- 同期間の人口動態との相関(左軸:人口 vs 右軸:医師数の2軸グラフ)
- 都道府県の複数選択・合算による地域ブロック比較
- 自分の地域が全国平均と比べてどうなのかを一目確認
なぜ「20年の推移」を見る必要があるのか
医師の偏在は「今」だけの問題ではありません。 少子高齢化と人口移動が医療需要の地理的分布を変え続けており、ある地域では医師数が横ばいのまま人口が倍増(医師不足が深刻化)、別の地域では人口が急減して医師密度の見かけ上の数値が上がっているケースもあります。
単年のスナップショットではなく、20年のトレンドで見ることで「なぜその地域で病院が混んでいるのか」が初めて見えてきます。
ツールの使い方
- 地域ボタンで都道府県を選択します(複数選択で合算表示も可能)。
- グラフ上部の凡例をクリックして、見たいデータ系列(人口・各診療科)を絞り込めます。
- 都道府県を切り替えても絞り込み設定は引き継がれますので、同じ条件でサクサク比較してください。
- 「全選択」ボタンで日本全体の合算グラフも表示できます。
👇 ツールは以下のリンクから無料で利用できます。
データで見る「医師偏在」の実態
ツールを触ってみると、いくつかの構造的な傾向が浮かび上がります。
傾向①:大都市は絶対数が多いが、人口増に追いつかない地域も
東京・神奈川・埼玉・千葉の首都圏は医師の絶対数では全国上位ですが、人口増加のペースが医師増加をはるかに上回っているため、人口あたりの医師数(密度)では全国平均を下回るケースが多く存在します。 特に埼玉・千葉は全国ワースト水準が続いています。
傾向②:地方は医師密度が高い地域も?
徳島・高知・島根など、人口が少ない地方県では医療大学や中核病院の集積により、特定の診療科(内科・産婦人科)の人口対比密度が全国トップ水準になるケースがあります。
これは「過疎地で病院がない」という一般的なイメージと大きく異なる発見です。
傾向③:麻酔科・病理・放射線科は都市一極集中が顕著
手術支援や高度診断を担う「Quality」カテゴリの診療科は、大型病院が集中する三大都市圏への偏在が極めて強く、地方での専門医不足が継続しています。
このデータを家計・キャリアに活かす視点
🏠 移住・進学先の選択
「かかりつけ医が見つけやすいか」「救急・産婦人科へのアクセスがあるか」を事前確認するための一次情報として活用できます。
💼 医療職のキャリア形成
医師・看護師などの方が「需要が高く、処遇改善が期待できる地域」を客観的データで判断する際の参考になります。
データについて
本ツールで使用しているデータは、厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師統計」(2年ごとに実施)をe-Stat APIより取得・加工したものです。
医師調査は2年ごとの実施のため、グラフは偶数年のみが表示されます。医師数は診療科を「地域医療系(Regional)」「急性期系(Acute)」「医療の質系(Quality)」の3カテゴリに名寄せして集計しています。
| カテゴリ | 主な診療科 |
|---|---|
| Regional(地域医療) | 内科、小児科、産婦人科、精神科など |
| Acute(急性期) | 外科、救急科、循環器内科、心臓血管外科など |
| Quality(医療の質) | 麻酔科、病理診断科、放射線科など |
出典:厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師統計」(e-Stat)、住民基本台帳人口推計


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